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ド素人のギターポット交換

コロナ禍でのお盆休みは、自宅にいる方が多かったと思います。
私Chroも今回は自宅にいることが多かったのですが、そんな中ギターのポット交換をお願いされたので交換をしてみました。
ですが、当初ポット交換のみだと高を括っていたら、予想以上にガタが来ている部分が多かったので結果的に丸1日を費やすことに。
実際、ジャックの接触不良程度なら直したことがありますが、ポット交換もベースのポットを1個交換したことしかなかったので、何事も経験ということで今回引き受けましたが、かなり難儀しました・・・。
当初、余裕でしょ。なんて考えていた自分に反省・・・。

さて、それでは行ってみたいと思います!

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今回修理をするギター

それではまず最初に今回触ることになったギターについて先にご紹介をしたいと思います。

Squwier by Fender  Stratocaster (1984~1987年)

正確な年代は把握ができないので、84年~87年製とまでしか把握はできませんが、シリアルナンバーがEから始まるMade in Japan表記なのでおそらくフジゲン製造のストラトキャスターになると思います。
古き良きフェンジャパ初期のギターですね。

Squier byFenderとは?

時を遡ること1982年、フェンダージャパンという日本市場に向けたご本家フェンダーブランドの楽器を販売する合同会社が生まれました。

本家フェンダーと日本からはフジゲン株式会社、神田商会(Grecoなど)、山野楽器の4社が出資することによって生まれました。

当時の時代背景上、バンドブームとともにエレキギターブームとも言われる時代であり、エレキギターを求める若者が多かったのです。
ちなみにこの時代に流行ったのが、サザンオールスターズBOØWYレベッカなどなど。

もちろん国内楽器メーカーもこのブームを逃すわけにはいきません。
当時はフェンダーやギブソンなどは輸入品ばかりでかなり高級な物なので、いわゆるギターキッズたちは手を出すことができません。
そんな中、フジゲンやTokaiなどの国内メーカーはフェンダーやギブソンのコピー品を製造していました。
ギブソンからはコピー品偽造ということで各製造メーカーに損害賠償請求も行っていました。
一部ではそれだけ品質が良かった。なんて話もありますが・・・。

そんな中、フェンダーはコピー品を一掃するために日本製造メーカーとライセンス契約を結んでコピー品を一掃することにしたのです。

これが大まかなFenderJapanの生まれた経緯になります。

シリアルナンバーの見方

フェンダージャパンのギター製造元工場は、国内に5社あったといわれています。
その5社にもさまざまな見分け方があります。
今回のストラトくんに関しては、MADE IN JAPAN表記、シリアルEから始まる6数字なのでおそらくフジゲン製84年~87年と予想がつきます。

ギターの分解にかかる。

それでは本題のストラトくんの分解に行ってみたいと思います!
まず、おさらいとして今回の修理内容を確認してみたいと思います。

現状確認

ボリュームポットとトーンポットの固着による操作不良とのこと。
まずは弦を外して各箇所の確認をしていくと、ポットはかなり固い状態になっていました。
その他として5wayピックアップセレクターの固着も見られるのでここも変更することに。
今回パーツはギターの持ち主様から頂いているフェンダー用のパーツを取りつけていく形になりました。

写真撮り忘れたのでズームです。

そしてブリッジ周りのサビがかなり目立つのでこれも軽く清掃する形にしました。
錆びすぎてて削るまで気づかなかった事実がありましたが、それは後程・・・。

今回使うパーツ

今回はFender make historyから出ているパーツを使って修理していきます。
お預かりしたパーツの一部がポットとノブの内径サイズが合わないため断念していますので、購入する際は注意して購入してください・・・。

Fender 250K SPLID CONTROL SHAFT

こちらのボリューム、トーン併用可能なものポットを2つ
コンデンサはメーカー不明ですが、0.022uf 250Vを使用しています。

Fender 5-WAY SELECTOR SWITCH (Made in Mexico)

今回はジャパンヴィンテージということなのでヴィンテージカラーのものを使用しました。

Fender Japan モノジャック

ごくごく普通のジャックです。

レッツ分解!

現状ついているノブはもう使わないということなので、ギター側を傷つけないようにクロスを挟んでぐりぐりと外していきます。
写真ではトーン側はすでに外れていて、汚れも見えていますが、分解前に軽く拭き掃除も行っていきます。
どうせ元に戻すときにまた拭きあげるんですが、この時点で拭いておくのは気分的に拭いてあげたかっただけなので、おまかせします。

ノブが外れたらピックガードも外していきます。
その際ジャックも確認しようと思い取り外すんですが、さすが長年放置されていただけあってかなり劣化がみられてましたのでこちらも変更確定。

アウトプットカバーを外すとよりわかりますが、かなりサビが回っています。
ジャック接触部分にも緑青(銅にできるサビ)がみられるので、どのみち使えないのがよくわかります。取り外しちゃいましょう・・・。

ブリッジの周りもだいぶ錆びているのですべて取り外していくんですが、そのために裏パネを開いたらびっくり。

ブレてます・・・。

こんなところにも深いサビが!

ここまでくるとスプリングも交換になりますね・・・。
予備があったような気がするのでそれを代用して使っていきたいと思います。

このスプリングをラジオペンチで引っ張って外していきます。
すべて取れたらいったん表に戻って、ピックガードの取り外しに移ります。
このストラト君はピックガードがネック指板に潜り込んでいるタイプになるのPUを先に取り外していきます。

徐々に分解していくと流石にここまで錆びの粉が飛んでいようが気にならなくなります。
一応ここでも軽く拭きあげをして作業を進めていきます。

分解していったパーツたちですが、このまま流用して使い続けるものもあるのでまとめてサビ落としに一旦かけます。
ブリッジなどのパーツは現状維持でとりあえずは対応するので交換する場合は、またパーツを購入して取り換えといった感じになります。

この子の個体であればこの辺りだったら合うはずです。
値段も4000円程度なのでその場しのぎには使えます。

そして取り外したパーツたちのサビ取りとして余っていた乾パンの缶に重曹を入れてつけおきしておきます。
ポット交換が終わり次第研磨をして、元に戻していきます。

分解が終わり、そしてポット交換。

さて分解が終わったところでポット交換に行きたいと思います。

とりあえず、初めてのPU以外全交換となるので、マスキングテープでどこの配線がどこにつながっていたのかを軽くメモしながら束ねていきます。
配線自体も変えるべきか悩みましたが、そのまま流用することにしました。

パーツをギターから分離することができました。
中も結構経年劣化によって汚れてるので軽く拭き掃除をしていきます。

一部残ってしまっている部分は塗装の下地?なのかすでに塗装されていた部分でした。
サビの色と同化していたことがよくわかります。
こうやってギターの中身を見ることは僕はあまりないので結構新鮮です。
このNのマークはなんでしょうね・・・?

とりあえず下準備として、トーンポットの配線を先に組み上げていきます。
はんだ付けが汚いのはご愛敬・・・。
配置方法はもともとのポットを確認しながらつけていきます。

この調子で一つ一つパーツを確認しながらはんだを外して移植して・・・を繰り返していきます。
ここから疲れすぎて写真を撮る機会があまりにも少なくなるので文字のみになっていきますが、地道な作業を続けていきます。

休憩がてらフレットの磨きもやっていきます。
指板にマスキングテープをまんべんなく張り付けて、フレットだけを出した状態にします。
全体の保護が完了したら、軽く水を付けて絞ったメラミンスポンジで優しくこすっていきます。
この時、メラミンスポンジに水分が多く含んでしまっているとマスキングテープに浸透して指板が濡れてしまいますので、注意してください。

丁寧にフレッドを磨いていきます。
強くこすりすぎるとフレット自体も削れてしまうので、地道にゆっくりと磨いていきます。
本当だったら、ここまで経年劣化の激しい個体だとフレットを打ち直すのも手なのかもしれませんが、僕にはそんな技術がないので、今回は磨きのみです。

磨き作業が終わったら、マスキングテープをはがして空拭きをします。
そのあとはレモンオイルを含ませたクロスで指板を拭きあげていきます。

ちなみに僕が使っているレモンオイルはダダリオ製のレモンオイルを使用しています。
値段も安く本数も少ない方であれば、使い切るのにかなり時間がかかるのでお勧めです。

レモンオイルを乾かしている間にポット付けを再開していきます。
写真を撮り忘れたのでつけてる作業がないのですが、注意点としては5Wayピックアップセレクターの配置が初見でみるとかなりわかりずらい構造になっていますが、セレクターをカチカチすることによって配列の把握が容易にできると思うのでそれを基準にはんだ付けをしていきます。

ある程度のはんだ付けが終わり、いったん仮組でピックガードにボリュームとトーンのポットをはめようとしたのですが、ここで問題発生。

もともとついていたポットより、新規で購入したポットのほうが大きいためピックガードにはまりません・・・。
しかたなく持ち主の方に連絡をとり、ピックガードの穴を広げていいということなので地道に削って穴を広げました。
そして無事装着が完了し、のこりはジャックの取り付けのみとなりました。
そのタイミングでうちに来客がきました。
以前夜釣りに行った際、このサイトにも記事にさせてもらいました僕の友人です。

彼がジャックのはんだ付けをしている間に僕は、ブリッジのサドルの磨きなどの作業をさせてもらいました。

サビがひどく、とりあえず100均で売っているダイヤモンドやすりで軽く削っていくと、びっくりしたことがありました。

このストラトくんSquier製なのですが、実は僕はSquierのギターを試奏したこともなかったので気づかなかったのですが、ブリッジのサドル部分にFenderとかかれているじゃないですか。
錆びすぎていて気付かなかったそんなfenderロゴも見ることができたわけですが、さらに大きな問題が発生しました。
サビがひどすぎてサドルについている弦高調整用のイモネジが1か所回らないんです。
あーもうこれは交換するしかないな、とも思いましたがとりあえず現状の弦高でも何とかなりそうな場所に一旦配置をして組み上げ作業を行っていきます。

さて、ピックガードにも取り付けが完了したところで、一旦アンプにつないで通電確認。
PU部分をドライバーでつつきます。
セレクターも反応していて、ボリュームもトーンも動作確認ができました。

こうしてボディにピックガードをはめてあとは弦を張るだけ。
弦も持ち主様からこれ張っといてということでもらったおそらくダダリオSuper Lightの09-42を張っておくことに。

やっぱり普段使う弦ではないので、テンションが柔らかいイメージが強いです。
ネックの調整とオクターブの調整もまだしないといけませんがとりあえず確認していきたいと思います。

最終工程

いよいよ弦も貼り終わり、ようやく弾ける状態になりました。
最終工程として残っている弦高の高さ決めと、オクターブチューニングの合わせになります。

弦高確認

blue and brown guitar
Photo by Rene Asmussen on Pexels.com

ギターの演奏面で弦高って結構大切なものです。
高すぎても弾きにくく、低すぎても弾きにくくといった絶妙なバランスがあったりします。
今回僕がリペアをしたストラトくんは、サドル全般がすでに錆びており、イモネジが回せない部分があります。
正直ここまできちゃうとサドル自体の交換を行うのが一番ベストです。
ですが、現状を生かした状態で極力合わせたいのでなんとかしたいと思います。が、今回は軽く弦高調整の方法を解説させていただきます。

弦高は高くするべき?低くするべき?

そもそも弦高の高さによってなんのメリットがあるのかを理解してから自分の好みを見つけるのがいいでしょう。

弦高が高いとどうなる?
高いメリット
  • 1音1音のメリハリが付くので存在感が出る。
    →コード弾きをメインにする方はオススメ。
  • 張力が増すためテンションがかかりやすい。
    →普段使っている弦のゲージよりも細くした場合は上げるべき。
  • 指板、フレットから距離があるためミュートをかけやすい。
    カッティングなどのプレイに向いている。

高いデメリット
  • 弦高が高ければ高いほど押さえる力が増える。
    →主に弾きにくいと言われる要因です。テンションもかかるようになるため慣れるまで手が疲れてしまいます。
  • 開放弦に触れやすくなる。
    →開放弦を含むコード(オープンコード)などを演奏する際に不要な弦を鳴らしてしまう事がある。また、チョーキングなどを行った際、指が弦下に入り込んでしまったりする場合がある。

はじめて弦高が高いギターを触ると弾きにくさを感じますが、慣れてしまうと弦高の高さを生かしたテクニカルなプレイもできたりします。
また、アコースティックギターを普段弾いている方がエレキギターを弾く際、弦高を高めにセッティングすることで普段に近い感覚で弾くことができます。

弦高が低いとどうなる?
弦高が低いメリット
  • 弦高を下げることによって張力が減るのでテンションが弱くなる。
    →弦を押さえるために必要な力が減るので弾きやすくなります。
  • 指板・フレットとの距離が縮まる。
    →弦を押さえるための移動距離が減るので、速弾きなどいかにもエレキギターなテクニカルプレイに適しています。
  • チョーキングがしやすくなる。
    →使う弦にも寄りますが、チョーキングがしやすくなる場合があります。

弦高が低いデメリット
  • 音が切りにくくなる。
    →押さえる力が必要ないということは、少し握っただけですぐ音がなってしまうということになります。なので、ミュートをする際にもかなり気を使います。
  • 音がビビりやすくなる。
    →弦を押さえた時、ハイフレット側の弦がフレットを接触してしまい、ジジジっなどのビビり音が出やすくなります。
  • サスティンが減る。
    →サステインとも言いますが、簡単な話音の伸びが減ります。エレキギターはピックアップと言われる磁石の部分で音を集音してアンプに送る楽器なので、テンションが下がった分だけ磁石に引っ張られやすくなるのでサスティンが減ります。
    対策としては、弦高が低いメリットとして弦の柔らかさとフレットとの距離が近いことを生かして細かなビブラートをかけてサスティンを伸ばす方法もあります。

教本によっては6弦は何ミリにするとよい。と具体的に書いてありますが、正直弦高については好みの問題が関わってきます。

僕自身がメインで使っているEpiphone Dot ES335は僕の中では少し弦高低めにしているつもりです。
イメージとしては、コードを弾くときのブライトさを残すことと、リードを弾く時のハイフレでの手回しのバランスを考えた結果であったりします。

サブに使っているGibsonUSA MelodyMakerは弦高を高めにセッティングしてカッティング用途などをメインにしています。

ですので今回のストラトくんは、ある程度の高さを保ちつつ弦高調整をしたかったのですが、フレットもかなりすり減っているらしく、現状かなり弾きづらいのでなんとか着地地点を見つけたいところなので、また追記させていただきます・・・。

サウンドチェック

本当はYoutubeに動画を上げたものをここに貼ろうと思っていたんですが、いかんせんめちゃくちゃ弾きづらくて動画にあげれる程のものにすぐできませんでした。すみません・・・。

普段弾いているギターとのギャップも相まって、かなり細かに調整が必要だと思いました。
オクターブチューニングに関しては初期位置でかなり安定していたので、弦高調整を行った際に追記で書きたいと思います。

最後に

普段僕はGibson系のギターを演奏しているので、Fender系のギターをあまり触りません。
なので、今回のポット交換ついでに試奏をしたのですが、なかなか普段と違うところに戸惑うことがかなり多いです。
また、今回扱ったSquier byFender Stratocasterはボリュームトーンが1つずつということと、PUがHSSという構造だったので割と新鮮な経験ができました。

メインで僕が普段扱っているES335はセミアコと呼ばれる所謂箱物ギター。
修理をするにしても個人でするよりリペア師にお願いしたほうが確実に修理されるので、普段は触らないのですが、たまには自分で直してみようかなとも思いました。
無理そうだったらリペア師さんに投げます。多分確実に投げます。

そんな感じで初めてのポット交換を行いました。
Chroでした。

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