こんにちはChroです。
久々の投稿がまさかの最近話題の中国不動産での騒ぎのきっかけになっている恒大集団(こうだいしゅうだん)の記事になります。
中国では1992年から始まった金融政策以来成長を続けており、2015年頃には不動産バブルもピークを迎え始めていました。
そして、2020年に入る頃には中国での不動産バブルは崩壊手前とまで囁かれていましたが、今回中国第2位を誇っていた恒大集団が総額33兆円を超える負債を抱えたことをきっかけに不動産バブルが崩壊したと囁かれていて、中国では1日1社不動産が倒産しているとも言われています。
今回はそんな中国の恒大集団とはなにか、そしてバブルが崩壊したあとは何が起こるのか?過去の事例をもとに確認していきたいと思います。
中国不動産業界第2位の会社”恒大集団”
恒大集団とはなにか?

恒大集団とは、1996年に発足した中国の不動産会社です。
1992年に創業者の許家印(シュー・ジアイン)が自身の務めていた鉄鋼企業を退職し、今後不動産業がのびることをにらんで1996年に設立した恒大という会社が大本になります。
この恒大は後述する1992年の金融政策の目論見通りに中国国内での不動産業の活発化によって成功を収めており、2009年には香港市場にて中国恒大として上場を果たしました。
アメリカの経済雑誌フォーブスでは2019年時点で世界22位、中国内では2位の富豪として許家印は登録されており、会社の時価総額は一時72億ドルにまで跳ね上がったことがある大企業です。
主に都市開発などを行っており、事業の手法としては自身の不動産や株を担保にして土地の取引を素早くすませた上で開発を行い売買を行う手法を行っていました。
現在では同じような手法で取得した土地に大規模な住宅マンションを開発販売を行う予定でしたが、2020年をきっかけに開発はストップしていまい、マンションの建設現場では工事がストップしたままになっている場所も多く見受けられます。
2020年に起きた恒大集団の危機。

1992年に鄧小平(トウ・ショウヘイ)と言う政治家が改革開放として南巡講話を行いました。
その南巡講話というのは、対中貿易ルール、不動産の流通促進、セーフティーネットという中国ビジネスの活性化を図る政策でした。
その政策に乗っかるような形で恒大集団は巨大企業へとなったわけですが、2020年9月末から中国人民銀行からバブル抑制に伴う財務改善を余儀なくされたことをきっかけに、債務不履行が起こる可能性があると報道され、それに伴い恒大集団が持っていた不動産の土地在庫をを3割引きで販売をすべて始めることになったのです。
そして今年に入ってから、どうにか財政を維持しようとしていた恒大集団ですが、8月31日に上半期の決算を発表したところ、資産売買について問題があることなども含めてデフォルトリスクを指摘されたことをきっかけに大規模なバブル崩壊へつながる可能性がでてきたのです。
中国不動産バブルの崩壊?

中国では恒大集団の膨大な負債によって多くの投資家が連日恒大集団本社に集まって抗議を行っています。
さて、この恒大集団がもしも倒産などした場合どうなるのでしょうか?
現時点でも多くの負債を抱えてることをきっかけに株価が1日10%近く急落しており、先述した都市開発もストップしてしまっています。
また、2020年あたりから開発に携わった企業への未払いも発生しているという報道もあるので、この去年時点でほか企業への影響が出始めていたのは確かなようです。
そして中国にて2位の巨大企業だったこともあり、中国国内の経済の要の一つとも言えます。
ですが、今回のこの騒動のきっかけを作ったのは、中国国内での不動産売買の規制をかけた中国の政治的なことが絡んできています。
ですので、中国での政治動向によっては恒大集団は助かる可能性もまだあるのかもしれません。
おそらく無理でしょうけど。
ほか企業への影響

今回の件で起きた金融危機の規模はかなり大きくなっており、取引を行っていた建設会社や不動産投資を行っていた投資家たちが多額の負債を背負っているという報道もあります。
また、その他の大手不動産企業も多額の負債を背負う形になっており、第二の恒大なんて言われる経済危機まで警戒されています。
第二の恒大などが起きた場合、確実に中国不動産バブルの崩壊を招くことになるわけですが、現時点では不動産事業を主に取り扱う恒大集団での香港市場での取引が停止されており、このことに影響を受けて様々な企業でも投資家が逃げるような形で取引を行っているようです。
このことから、その他の不動産企業も資金繰りが悪化していて、更に小さい企業からその状況はかなり悪いようで年始から9月までで270社近くが経営破綻を起こしているので1日1社はつぶれているペースになります。
恒大集団が経営破綻したらどうなる?

かなり大規模な企業である恒大集団ですが、いざ経営破綻となった場合どのようなことが起きるのか、現状わかっている範囲の内容と、過去にあった事例も含めて考察していきたいと思います。
恒大集団の規模
そもそも恒大集団は不動産開発会社として利益を出していますが、それ以外として子会社が複数あり、その子会社も企業としては大きい会社が多いです。
恒大集団傘下のEV自動車開発部門を担っている恒大新能源汽車集団は、香港市場での取引停止が恒大集団で起きたあとも取引が続いています。
恒大新能源汽車集団は5年以内にEV自動車メーカーとして世界最大を目指していましたが、今回の恒大集団の資金繰りに巻き込まれるような形にもなっているそうです。
例えば、新工場の建設として行われていた場所では無数の鉄骨が並び、作業を行う従業員も見当たらない始末。
こういったことから見て、恒大集団の件はかなり大きな規模での影響がありそう。
実際、本土の人はどう思っているのか?
知人に中国在住の友人がいるので、実際どんな感じなのかを軽く聞いてみました。
実際のところ、本土の人たちはあまり深く気にしていないらしく、主に活発なのは国内外問わずの投資家たちとのことです。
経済破綻がもし起きたとしても、おそらく大した影響は出ないのではないか?と友人は言ってました。
その理由としては過去にあった滴滴出行(ディーディーチューシン)などがあげれるそうです。
滴滴出行について
友人は中国の方なので詳しい話があまり聞けなかったので、詳細は不明ですがこの滴滴出行は主にタクシーの配送や自転車レンタルなどで利益を出していた企業で、日本ではUberEatsで有名なUberの中国事業の買収も行っていました。
この滴滴出行はUberと同じく、個人事業主である運転手と契約を結んでタクシー業などを行っていたため日本では法律面などでの影響によりあまり普及しませんでしたが、2015年にはUberより上回る利用率のあった企業でしたが、運転手の犯罪問題や2021年にはアプリ利用者の個人情報を中国中央政府が無断で収集していたなどの問題がありました。
特に2021年の個人情報の無断収集に関しては、ニューヨーク証券取引所(アメリカ)に上場した直後の出来事だったので株価の大きな変動がありました。
その他にもLuckinCoffee(瑞幸咖啡)と呼ばれる中国にて一時期注目を集めていたアプリでのみの購入しかできないスタバ的な珈琲店を例として友人は上げていましたが、こちらに関しては記事が中国語のみのため情報を探すことができませんでした・・・。
中国の人はそこまで気にしていない?
特に恒大集団で働いている方はあまり気にしていない様子とのことでした。
おそらく不動産業が不況に陥ったとしても他の関連企業に行くことができるからといった理由でしたが、実際大規模なリストラは現状起きていないようですが、このまま行くと起こる可能性も高いと思います。
中国政府もこの現状を理解しているはずなのですが、救済処置を行わないような立ち回りをしているので、経営破綻は今の所免れないのではないのでしょう。
ですが、現状一番被害を被っているのは恒大集団に投資を行っていた投資家たちです。
中国は度々株価の暴落を引き起こすことがありましたが、規模としては中国国内に留まるものや投資家のみが被害を受けていることが多かったです。
またそのチャイナ・ショックの影響として一時日本の地価が上がるといったことがありましたが、一時的なものなのですぐさま下がり傾向を見せ始めます。
ちなみに株価が暴落するたびにネタにされている株価暴落おじさんですが、最新の画像も本人が撮られてました。(本人も一種のネタのように扱っている?)

過去の事例と見比べて
世界では過去に様々な恐慌や大暴落による影響などがありました。
記憶に新しいものであればリーマンショックが主にイメージとして強く残っているのではないでしょうか?
その他として上記にも挙げられていた2015年チャイナ・ショックなども挙げられますが、こちらも一緒に紹介していきたいと思います。
2008年投資銀行リーマン・ブラザーズの経営破綻から起きたリーマンショック
リーマンショックとは、2008年9月にアメリカの有力投資銀行のリーマン・ブラザーズが経営破綻を起こし世界規模での株価の下落や金融危機に陥った出来事です。
日本でも失業者が多く出るほどの不況になったので記憶に残ることも多く、今回の恒大集団の経営危機もリーマンショックの再来と言われるほどの大きな出来事でした。
リーマンショックの引き金はアメリカの住宅ローン制度であるサブプライムローンがきっかけと言われています。
このサブプライムローンとは、ローン返済を受ける権利を証券として売買することができる点なので、投資家の対象となりました。
アメリカとしては経済対策として国民が住宅を持つことを推奨していたので、サブプライムローンは低賃金でローンが組めない人でも住宅ローンを組むことができるようにした制度でもあります。
ですので、低所得者向けの住宅ローンとして説明されていることも多いです。
このサブプライムローンが破綻した理由としては、当時のアメリカの地価が上昇傾向であったため、いわゆる不動産バブルに近い状況でした。この点が恒大集団の経営危機の点と似ているため第二のリーマンショックと言われる要因です。
不動産バブルの時は地価が高いため、土地を買って更に値段が上がったら売るといった不動産取引が盛んになっていたので、投資家たちはこぞって証券を買い漁っていたのです。
ですが、不動産バブルが弾けたことをきっかけに住宅ローンを組んでいた低所得者はローン返済が行えなくなります。ローン返済が行えなくなると、証券を発行していたリーマン・ブラザーズはお金の回収ができなくなり経営が悪化していく一方です。
このことからリーマン・ブラザーズは経営破綻を起こしました。
そしてリーマン・ブラザーズはアメリカの大手証券会社だったので、サブプライムローン以外にも社債の発行を行っていて、元々社債を持っており、資金をリーマン・ブラザーズに貸していた銀行などがたちまち経営悪化に巻き込まれる形になったため、直接金融危機に陥ったわけです。
恒大集団とリーマンショックの違い
大きな違いとしては、恒大集団は都市開発企業であって、リーマン・ブラザーズは証券会社であることです。
元々取引を行う物が違うので影響の出やすい部分が変わってきます。
ただ、恒大集団も社債の償還が行えない状況が続いており、関連企業の恒大物業集団の株式を売却することが決まっているようです。
仮に恒大集団が債務不履行を起こした場合でも中央銀行が吸収することができるため、リーマンショックのような大規模な不況にはなりにくいと考えられます。
また、リーマン・ブラザーズでは社債を銀行が保有していましたが、恒大集団の場合ノンバンクが多数という情報もあり、投資家が多数保有しているという話もあります。
チャイナ・ショックとはなにか?

今まで何度か起きているチャイナ・ショックについても軽く説明していきます。
2015年〜2016年の間に何度か起きている中国の経済危機のことを指しており、主な原因は今回と同じ政策による金融危機であったり、経済成長の失速を懸念したことがきっかけとなって起きていることが多いです。
2015年のものを例にあげると、金融緩和と金融政策による株価の急上昇が起き2倍以上の跳ね上がりをみせたことによって、株価の高騰を懸念したことから規制をかけることになりました。
その結果から3割以上が下落するということになったことからチャイナ・ショックが起きたと言われています。
その他として、中国人民銀行が人民元相場の大幅な切り下げが起きたこともチャイナ・ショックが起きるきっかけになっています。
今後の恒大集団はどうなるのか?
中国の恒大集団の創業者は、なんとか危機を脱却するために奮闘していますが、未だに支援を得ることができず資産が急減していることが報じられています。
また、このことから中国不動産の連鎖的な倒産も止まる気配がなく、中国の経済の大きな要の一つであった不動産バブルも崩壊したと言っても過言ではないかもしれません。
海外への影響よりも中国国内での問題がかなり多く、その他の不動産の倒産が相次いでいるということは、民間の金融機関への影響が多くなるため国内での現状の問題が悪化していくにつれて海外への影響が出始めると思います。
日本への影響が出始めるのは早くとも来年以降なのではないのかな・・・?
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