僕はめっぽう下戸でお酒がほぼほぼ飲めないに等しいわけだけど、それでも付き合いでお酒を飲んだりすることはある。
そこで気になったのが、お酒を飲んでからどれくらいしたらお酒が抜け切るのか。
お酒は体に毒という話もよく出てくるが、一説によれば少量のお酒であれば健康にいいとも言われている。
今回のお話はそんなお酒に含まれているアルコールと体の中で起こっていることについてのお話です。
海外では少量のお酒を食事の時に飲む習慣がある
例えばフランスとかであれば、ワインはフランス人の食生活にとてもかかわりがある。
脂肪の多い食品や、喫煙などは動脈硬化などを引き起こして脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすきっかけになるのは昔から知られていたことでもあるが、ヨーロッパなどではそういった健康に悪いと言われる脂肪分を摂取することが多い。
今では喫煙には厳しくはなってきているが、それでも喫煙率も高いと言われているが、フランスでは近隣諸国よりも心筋梗塞になりにくいという研究結果が出ていて、これを「フレンチ・パラドックス」と呼ばれることもある。
フレンチ・パラドックス(フランス人の逆説)

フレンチ・パラドックスとは、フランス人は他のヨーロッパ諸国と比べて肉などの脂肪、チーズなどの乳脂肪の他にもフォアグラなどの動物性脂肪を多く摂る傾向がある。
こういった脂肪を摂取すると通常であれば、動脈硬化や心臓病などの死亡率もあがるのですが、フランス人は日常的に赤ワインを飲む傾向が多い。
この赤ワインに含まれるポリフェノールの一種であるレスベラトロールには動脈硬化や脳梗塞を防ぐ効果があると言われている。
このことからフランス人特有でフレンチ・パラドックスという一説が言われるようになった。
個人差はあるが体からお酒が抜けるまでの時間

お酒を摂取すると主に肝臓でアルコールが分解されることは有名だが、この分解スピードには個人差がある。
よく言われている一般的な分解時間は、平均的な体重である60kg〜70kgの人をベースに計算されており、1時間あたりおおよそ5gから7g程度のアルコールが分解される。
よく飲まれているビールなどであれば、1杯あたり20g程度のアルコールが含まれているため、分解するためにかかる時間は4時間程度。
アルコールの分解に欠かせないADH(アルコール脱水素酵素)
体の中に入ったアルコールは食道を通り、胃や小腸などで吸収され血液にまじり肝臓に送られる。
ここでアルコールは、ADHと呼ばれるアルコール脱水素酵素という酵素の働きによってアセトアルデヒドという有害物質に分解される。
このアセトアルデヒドが酔いに関係してくるのだ。
ADHによって分解されたアセトアルデヒドはALDHと呼ばれるアセトアルデヒド脱水素酵素というのによって更に分解される。
このALDHには2種類あり、アセトアルデヒドが低濃度のときに働くALDH2と呼ばれる酵素と、高濃度になると働くALDH1という酵素がある。
僕のようにお酒が弱い人は主にALDH2が欠けている、もしくはないに等しい場合があり、少量のお酒でもアルコールの分解が追いつかないためすぐに悪酔いしてしまう。
アルコールは飲んでいれば強くなるは間違い。

前出したとおりにALDH2という酵素が体にない人はどんなにお酒を飲んでも慣れることはなく、すぐに酔ってしまったりするため飲み慣れることがない。
飲み始めてすぐに顔が赤くなる人は特にアセトアルデヒドの分解が体の中で行えず、血管が膨張するため顔が赤くなる。
なのでお酒を飲み始めてすぐ赤くなる人はALDH2が一般人よりも少ない可能性があるため、お酒を避けるべき。
その他にも吐き気や頭痛などの不快感を伴う症状もアセトアルデヒドが原因のため注意が必要だ。
アルコールが抜ける時間は個人差がある
ALDH2のおかげで低濃度のアルコールであれば分解はできるが、一般人よりも少ない場合は低濃度のアルコールは分解されにくくなるため、アルコールが抜ける時間は個人差によってさまざまある。
特にお酒が弱いと呼ばれる人は通常よりも少量のお酒であっても長時間をかけて分解をしていくため、お酒が弱い人は一般人よりもアルコールが抜ける時間が長くなる。
お酒が弱いと呼ばれる人の特徴

お酒の強さは遺伝的な体質の違いや、体重と年齢も関わってくる。
アセトアルデヒドの分解に使う酵素は両親からの遺伝によって決まる傾向が強いため、両親がお酒が弱い家系だと、お酒が弱くなる可能性がある。
その他にも体重が軽い人や女性、年配の方はお酒が弱くなりやすいと言われている。
これは体重の重い人と比べて体内の血液量や水分量の違いから血中のアルコール濃度に差が出てくるため、分解までの過程で重要になってくる。
特にお酒が弱いと呼ばれる人の特徴としてあげられることが、すぐに顔が赤くなる人はお酒に弱い人の特徴ともいえる。
これは少量のアルコールであっても、体内でアルコールの分解がされにくいため、血管が膨張して顔が赤くなることが原因だ。僕の場合はこれに動悸が強く出るのでとても分かりやすい。
その他にも華奢な身体をしていたり、身長が小さい方は注意が必要だ。
身体が小さいと前出した通り、体内の血液量や水分量が少ないという理由の他にも、アルコールを分解する肝臓の大きさにも関係してくる。
アルコールを分解するための肝臓が小さいと通常よりもアルコールの分解に時間がかかってしまうためだ。
ただ必ずしもそうとは限らず、身体が華奢でもALDHの保有率が高ければお酒が強い場合もあるため個人差が激しいことを念頭に置いておいてほしい。
飲み会でどうしても飲まなければいけない時の対処方法
飲み会や、お酒は好きだけど弱い人向けにお酒との付き合い方もまとめておきます。
お酒が弱い人のお酒との付き合い方
お酒を飲みながら水分補給をする。

まずよく言われているのが、お酒を飲むときに必ず水を飲むこと。
特に、お酒を飲んでいる最中に水を飲むようにすることが大切だ。
理由としては、水には代謝速度を速めることができ、飲んだお酒のアルコール濃度を薄める効果もある。
その他にもポカリスエットなどがおすすめだ。
都市伝説で”お酒とポカリを飲むと悪酔いする”というのがあるが、実際ポカリスウェットは体内に必要な水分の補給を行う利点がある。
特にお酒に含まれるアルコールは利尿作用が働くため、お酒を飲むと体内から水分が出て行ってしまい、余計酔いが回りやすくなる。
そんな時にポカリスウェットを飲むことによって水よりも早く水分補給ができるようになるのでおすすめできる。
時間をかけてゆっくりと飲む


短時間で大量のアルコールを体内に入れてしまうと、アルコールの分解が間に合わず、すぐに酔いが回ってしまう。
特にALDH2が少ない人にとって短時間の大量のアルコール摂取は体内にアセトアルデヒドを長時間残すこととなってしまうため、余計体調が悪くなりやすい。
なので、1杯を飲みきるまでの時間をいつもよりも長くすることがおすすめだ。
僕はビールが好きだがビールを長時間かけて飲むとぬるくなってしまっておいしくなくなってしまうことが多々ある。
そんな時はウイスキーなどの蒸留酒がおすすめだ。
僕のおすすめする理由として、ウイスキーは水や炭酸と割ってるハイボールなどがどこのお店にもあり、氷が入れられていることが一般的だ。
そのため長時間でも冷えた状態で飲むことができ、氷も溶けるので長時間飲むことで割り合いが水のほうが増えていく。
また、ウイスキーベースのお酒であれば冷えてなくても飲みやすいものが多いため長時間飲みやすい。
お酒が弱い人向けのまとめ
お酒が弱い人は主にALDH2という酵素が少なく、お酒の分解が遅いことが多い。
特に顔が赤くなりやすい人はその傾向が強いため知っておくと無理なお酒の飲み方をしなくなるだろう。
そして必ずお酒と一緒に水分補給ができる水やポカリスウェットを用意すること。
お酒を1口飲んだら水をしばらく飲むなど、水分補給をすることを意識するといいだろう。
そして、長時間をかけてお酒を飲むこと。
お酒を飲んで水分を補給することで長時間かけて1杯を飲むことができるが、その他にもウイスキーなどの蒸留酒を割ったもので飲むことによってお酒がぬるくなっても飲み続けることができる。
しかし、あくまでもいつもより飲みやすくする方法であって、無理にお酒を飲むことは体に毒なので絶対にしないこと。そして、お酒が弱い人には無理強いをしてお酒を飲ませないことを徹底して、正しいお酒との付き合い方をしてほしいです。
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