皆さんはアフリカにあるニジェール共和国という国をご存じでしょうか?
このニジェールという国は、西アフリカの真ん中に存在する国で、世界で最も貧しい国の一つと言われています。
そんな貧しい国であるニジェール共和国を一人豊かにしようと奮闘する日本人男性の話を知り、もっとこのことが広がってほしいと思い記事にすることにしました。
今回はそんなニジェールと一人の日本人男性のお話です。
国土の5分の4がサハラ砂漠の国 ニジェール共和国とは?
西アフリカの中央に存在するこのニジェール共和国は、世界で最も貧しいと言われている国の一つで、国土の5分の4が砂漠として有名なサハラ砂漠となっています。

最近では洪水や干ばつなどの自然災害により農作物を含めた緑化された土地も減っており、不安定な経済などが影響し貧しい国となっています。
しかし、人口の増加が急速に進んでいる国でもあり、18歳未満の子供が人口の大部分を占めていますが、男女の格差が大きいこともあり女児の多くは基本的権利すら与えられない国でもあります。
19世紀にはアフリカの他国と同じくイギリスやフランスが進出し、一時期はフランスの植民地時代だったこともあります。
その後は自治国となりましたが、クーデターが何度か起きており政治状況も不安定な国です。
2023年7月にも大統領が大統領警護官に拘束され、軍の大佐が国営テレビにで政権崩壊を宣言したばかりです。
外務省の海外安全ホームページでは危険情報レベル4(2023年8月現在)となっており、退避勧告も出ている国です。
今回はそのニジェールにてゴミを使って砂漠を緑化することに力を注ぐ大山修一教授さんのお話です。
緑がないから争いが起こる

写真引用:(https://research.kyoto-u.ac.jp/documentary/d021/)
ニジェールでは国土の5分の4が砂漠であること、自然災害が原因の干ばつや洪水などが理由で飢餓や砂漠化の進行が飢えのきっかけとなり、飢えの影響で争い事が起きるようになりました。
京都大学アフリカ地域研究にて教員として研究をしている大山修一教授はそんな食料を育てることができない環境のニジェールの砂漠を緑化することに力を注ぐ方です。
ニジェールでは度々遊牧民(フルベ)と農耕民の間で争い事があり、数少ない草の生える土地を奪い合う争いが絶えませんでした。
大山教授は元々アフリカの農村研究を専門にしており、自給自足を行う社会に興味を持ち研究を行っていました。
ですが、昨今のニジェール以外にも貧困問題は国際的に注目されていますが、貧困の基準として1人1日あたりの取得1.90ドル以下が貧困という定義にされていることによって、自給自足を行っていたニジェールの遊牧民や農耕民などの本来お金が関わってこない社会だった人々も貧困として扱われるようになり、かつての生活スタイルが失われることに危機感を覚えました。
そして貧困問題の他にも、土地制度というものがあります。

元々ニジェールでは農耕や遊牧を行っている人々は、広大な土地を利用して焼き畑をして農作物を育てたり、放牧を行って家畜を育ててきていました。
ですが、土地の私有化が進むことによってその地域以外の外部の資本家が広大な土地を取得する事によって、地域には少しの土地が残らなくなってしまいました。
砂漠化するサハラ砂漠をゴミで緑化する
ニジェールは貧困国ということもありお金もなく、濃厚や遊牧をする土地も少ないため食料がありません。
ですが人が住んでいると生まれるのがゴミや排泄物。
大山教授はそのゴミを利用して土地を緑化する活動を始めることにしました。
サハラ砂漠の南方に広がるサヘル地帯に位置するニジェールの環境は換気は気温が40度以上にもなり太陽の日差しが強いため土が固く、雨季になると頻繁に起きる洪水によってあたりは水浸しになります。
過酷な環境ですが、ゴミを使うことで様々な問題を解決する事ができます。
ゴミを荒れた土地に置くことによって、シロアリが集まるようになります。
すると、シロアリは巣を作るために固くなった土を噛み砕き、柔らかな地面を作ることができるのです。
そして、ゴミの中に含まれているビニールや布製品は、雨季のときに降った雨によって湿った地面を乾燥から防ぐ効果があります。

日本でも同じように黒いビニールを使って畑を育てていますが、日本の場合は気候が穏やかなため、主な使用理由として太陽熱を受けやすくすることによって温度があがり、野菜が育ちやすくなることが理由だそうです。
使い方は違いますが、土壌の環境を改善するためにビニールを使用していることがわかります。
また大山教授は柵で囲ったサイトと呼ばれる場所を作り、ゴミの中にカボチャやトウジンビエなどの作物やその他にも家畜の飼料になる植物の種子を混ぜてサイトに撒きました。
その後ゴミの上から砂を被せ、雨季を待ちます。
すると作物が育つようになります。
その後作物が育ったあとは収穫を行ったあと、家畜を入れることで収穫に適さない作物を食べることができるようになります。
こうすることによって家畜も食料を得ることができ、サイト内の植物を食べ尽くしてしまっても、家畜の排泄物が肥料となり、植物が増え続けることとなりました。
3年後には樹木が生い茂るまでとなり、結果は成功したということです。
こうすることによって長年続いていた農耕民と遊牧を行っていた牧畜民の争いもなくなっていくことに繋がったのです。
まとめ
今回この記事を書くに当たって、様々なことを考えました。
日本という豊かな国に住んでいる僕ですが、正直日本も最近は治安などなど様々な問題を抱えています。
他の国のことを考えてる余裕なんてない。と思う方もいるかも知れません。
ですが、今回記事にまとめた大山教授のような活動をしている方をもっと皆さんに知ってもらいたいと思い今回この記事を書くことに決めました。
地道に一つ一つを積み重ねることによって大きな成果が生まれ、それがやがて争いがなくなるようにこのニジェールという貧困の国で尽力する大山修一教授の活動を皆様に知れ渡ることを願います。
最後に引用、参考資料として今回記事に使った内容を調べた際に利用したサイトをまとめてあります。
興味を持っていただけた方はぜひ目を通して頂ければ幸いです。
そして、今回の活動を知るきっかけとなったチャンネル、世界まる見えずんだもん 様のこの活動に関する動画も勝手ながらお貼りさせて頂いています。
長々となりましたが、今回はこれにて・・・。
引用・参考資料
ゴミの力で砂漠を緑化、アフリカの農村が得る収入と和解
https://jstories.media/jp/article/greening-the-desert-with-trash
餓えと争いをなくすため、砂漠をゴミで緑化する。「アフリカの人道危機を解決する実践平和学」
https://research.kyoto-u.ac.jp/documentary/d021/
京都大学大学院 アジア・アフリカ地域研究研究科 アフリカ地域研究専攻
https://www.africa.asafas.kyoto-u.ac.jp/niger/
ハンガーゼロ
https://www.jifh.org/news/cat29/cat61/
【実話】ゴミとフンを砂漠に捨てる日本人。3年後、砂漠がおかしい・・・
https://www.youtube.com/watch?v=0A_n_wPEKLc
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